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医療最前線 ─近所の名医にきく─

医療最前線 > Report No. 03

発達障害の治療について

タウンヘルスケア 医療最前線 ─近所の名医にきく─

新泉こころのクリニック(神奈川県茅ヶ崎市)
院長

朝倉 新 精神科・心療内科医師

発達障害は、必ずしも病気として捉えるのではなく、
個性・特性として捉えたほうが良いんです。

─ それぞれの治療法について教えてください。

自閉症スペクトラムには、薬がありません。
本人が工夫したり、周りの人が気をつける必要があります。
一方、ADHDには現在日本では、2種類の薬があります。
コンサータという薬と、ストラテラという薬を処方します。
コンサータは、朝飲めば夕方ぐらいまで効きます。
ストラテラは、数週間飲み続けなければ効果がでません。
しかし、効果は1日中続きます。

─ 副作用などはあるのでしょうか?

あります。
コンサータの副作用は、食欲が無くなる、眠れなくなる、癲癇(てんかん)の持病のある方は、発作を起しやすくなってしまう、ということがあります。
後は、依存性があるという問題もあります。
ストラテラの副作用は、おなかの症状ですね。
他に、頭が痛くなるというのもあります。

─ 薬を用いる場合と、全く用いない場合があるのですね。
もしもあればお聞かせいただきたいのですが、現在の発達障害の診断と治療に問題点などはありますか?

発達障害の診断については、その場その場の環境によって、診断するかどうかの基準が変わってしまいます。
精神疾患の診断基準は、症状があっても、本人や周囲の人が困ってないければ、診断することはありません。
また、目に見えない症状を把握して判断するため、医師によって、診断が変わってくることなどザラです。
とくに発達障害は、必ずしも病気として捉えるのではなく、個性・特性として捉えたほうが良いんです。

実は、現在、発達障害が増えていると言われています。
1990年代後半になって、大人の方も含めて、発達障害という概念がクローズアップされてきました。
これは、世間の皆さんが意識するようになったことに起因するのかもしれませんし、研究者の報告によっては、環境ホルモンなどの影響で増えているとのではないかという話もあります。
また、日本も一昔前は大らかでしたから、そういう方にもちゃんと居場所や仕事が合って、共同体に馴染んでいましたよね。
ところが社会構造が変わってしまった。
第一次産業が主体だった時代は、あまり問題がなかったと思うんです。
ところが、第三次産業が主体の世界では、常にお客さんのことを考えなければならないような仕事が増えている。
発達障害のひとには、お客さんのことを考えなければならないサービス業は向かないんです。
彼らには行きにくい時代になってしまいました。

 

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