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医療最前線 ─近所の名医にきく─

医療最前線 > Report No. 02

ABC検診による胃癌リスクの評価

タウンヘルスケア 医療最前線 ─近所の名医にきく─

渡邊内科クリニック(神奈川県小田原市栄町)
院長

渡邊 清治 内科医師

ピロリ菌にも人間同様個性があり、除菌できないものがいます。
その場合は、普段からピロリ菌のパワーを落とすようなことを
して癌になる確率を減らしながら経過観察をします。

─ ピロリ菌はどのように除菌するのですか?

抗生物質と、あとは、酸を抑えてあげるためのプロトンポンプインヒビターを用います。
プロトンポンプインヒビターは、胃酸の分泌を抑える薬です。

これまで、これらのいろいろな合わせ方を世界中の人がやってきて、様々なデータがあります。
今のところ、日本で集約して決めたのが、抗生剤2種類とプロトンポンプインヒビター1種類をを1週間飲む方法です。

─ それらの薬を飲めば、確実にピロリ菌は除菌できるのですか?

例えば、日本人の中にも色んな日本人がいますよね。
それと同じで、ピロリ菌にも色んなピロリ菌がいるんです。
人間同様それぞれ個性があって、抗生物質が効かないものがいます。
例えば、ある種類の抗生物質を使ったとしても、それに耐性のあるものがいて生き残ってしまうんです。

ピロリ菌を除菌する際、現在一般的にはクラリスロマイシンという抗生物質とアモキシシリンという抗生物質の2種類をよく使います。
クラリスロマイシンは皆さんが小さいころから風邪をひいたときなどに使う薬なので、これに耐性のあるピロリ菌が相当数いて、この薬でも死なないピロリ菌が2、3割いると言われています。

2、3割の死ななかったピロリ菌に対しては、もう1種類のメトロニダゾールという薬を使います。
これは普段使わない薬なので、これだと9割以上は除菌できます。

ピロリ菌が始めて出会う抗生物質だから、その薬に対する耐性菌が少ない、ということですね?

そうです。

しかし、 それでも死なない菌もいて、現在そういう菌を除菌する方法は確立されていません。

その場合はどうするんですか?

うちの医院にもそのような患者さんが何人もおられます。

ピロリ菌が抗生物質に対する耐性を持っているために、現在の治療法では除菌できないんですね。
そういう方々は、様子をみましょう、ということになっています。
ただ、漫然と様子を見てて危険度が上がっても良くないので、普段からピロリ菌のパワーを落とすような方法をしながら、経過を見ている方が多いです。

ピロリ菌のパワーを落とすとは?

プロテアーゼインヒビターを普段から少しずつ使うとか、ヨーグルトのLG21という明治がだしているものがあるんですが、これがピロリ菌を弱らせるというデータが学術的に出ていて、それを普段から接種していただく、とか。
癌になる確率を減らそう、というわけです。

ピロリ菌の除菌が成功したかどうかは、どうやって判定するのですか?

ピロリ菌がうまく除菌できたかの判定は、「尿素呼気ガステスト」をして生きているピロリ菌が胃の中にいるかを調べる方法や、便の中のピロリ菌の有無を調べることを目的とした「検便」、これらのうちのどちらかを通常行います。

また、やるタイミングも重要なんです。

例えば、ダンゴムシという虫がいますよね?
落ち葉の下なんかにいて、触ると丸まって死んだふりをするダンゴムシ。
丸まったダンゴムシが死んだふりをしたあと動き出すまでって、少し時間がかかるでしょ。

ピロリ菌も同じで、プロテアーゼインヒビターを飲ませると、ダンゴムシ状態、つまり、死んだふりをするんですね。
最低一ヶ月はそのまま、死んだふりをしていると言われています。
その状態でピロリ菌が除菌できたか検査をしても、正確な検査ができないんです。
死んだふりをしているから、ピロリ菌の反応を検出しにくいんですね。

だから理想的には2か月くらいした後に、チェックをしなければなりません。
そうでないと、本当はいるんだけれども陰性の判定結果(ピロリ菌がいないという判定結果)がでてしまうんです。

 

 

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